初めての方もそうでない方も、こんにちは、千歳です。
公開から一週間が経ってから見に行きました。
理由は同日に推しの子も見るためです。
アニメ、原作、舞台も見ていたので、大体の流れは分かっていたつもりで見に行きました。
…しかし甘かったです。
実写は今までとは違う内容をぶっこんできました。
しかしそれが今回はいい方向に行っていた気がします。
擬人化されているのが細胞だった為、この改変も良い方向に進んだんじゃないかなと思います。
以下、ネタバレを含む内容を話すので、まだ見ていないという方はここでお帰りください。
作品をざっと紹介
ここで簡単に、映画はたらく細胞の世界観について紹介していきたいと思います。
原作とは違い、物語は人間サイドと細胞サイドで並行して物語が進んでいきます。
娘のニコちゃんの体の中が、原作のはたらく細胞、お父さんの体の中が、はたらく細胞BLACKという感じになっています。
私はBLAKCKサイドはアニメ一話しか見ておらず、はたらく細胞は原作、アニメ、舞台も見たという感じだったのですが、主に二コちゃんの体の中の細胞たちの様子で進んでいく映画は見慣れた感じでした。
二コちゃんサイドは、まず赤血球と白血球がどのようにして生まれ、どのような経過を経てそれぞれが体内で働くようになるのか、その後細菌が入ってきたときにどう細胞たちが働くのか、体内に栄養分を送り届ける赤血球の仕事など、ハイテク端末の映像コンテンツとして収録されているマクロファージさんの説明を交えて、分かりやすく話してくれます。
そして、恋をすると体内にどのような変化が起きるのか、怪我をすると止血するために体内ではどの細胞が活躍するかなど、原作と描写を変えつつも世界観をぶち壊すようなことはないレベルで展開していきます。
変わってお父さんサイドの体内はもう地獄ですね…。
ザ・ブラック企業って感じです。
新人赤血球はどんなに働いても感謝されず、ずっと細胞に怒鳴られ、謝り、アルコールの雨を浴びてヘロヘロになり、肝臓に行って解毒してもらう…。
そんな中、寿命で力尽きた赤血球がある細胞(聞き逃しましたが実際はマクロファージに貪食されるらしいですね…)に食べられるというショッキングなところを見てしまい、新人赤血球は絶望してしまう。
こっちの世界にはハイテク端末がないのか、先輩赤血球が体内の説明をしてくれます。
切れ痔のお父さんの肛門付近のせめぎあいや、悲しい別れ()を経験し、ある出来事で新人赤血球の運命は変わってしまいます。
そして二コちゃんの体内では、成長しない骨髄芽球を異常細胞とみなし、処分するということになっていたが、なんとその細胞の一体が変貌を遂げてしまい…ここからは原作を読んでいた私でも未知の領域でした。
その後二コちゃんは闘病生活に入るのですが、人間を活かすために用いられる薬や治療法が、細胞たちを攻撃し、滅亡に追い込みます。
細胞たちを一番に追い込んでいたのは、最近やウイルス、がん細胞などではなく、人間だったのです。
最後まで体のために働いた細胞たちはどうなってしまうのか、そして二コちゃんは助かるのか…まさに笑いあり涙あり、最後まで目が話せない展開でした。
キャラクターの再現度
キャラクターの再現度ですが、かなり再現度高めでした!
キャラそのまんまのような人もいれば、多少衣装デザインを変更してあるが、これはこれでいいと言ったような状態でした。
キラーT細胞とNK細胞がより戦闘系になっていた感じでした。
このキャラクターならこういう服も着そうだなとか、そんな感じでした。
血小板たちはほぼ原作と同じ状態でした。
童顔のアイドルを当初血小板役にしようと考えていたようですが、考え直してくれて本当に良かったと思いました。
フィブリンを凝固因子でつなぎ合わせるシーンが、原作では大きな網を作って傷口を覆う感じだったんですけど、実写では傷口の縁に立って、皆でフィブリンと凝固因子で大きな輪を作って、それを振ると中からいろんなドーナツ状のものが出てきて傷口が塞がるという状態だったんですよね。(ここちょっと集合体恐怖症の人は注意が必要かなと思いました。)
でも可愛いからいいかって感じでした←
あと、血小板ちゃんがフィブリンで赤血球と白血球をとっ捕まえるのが、血球自らかさぶたに飛び込む、縁にいる血球を突き落とす(やんわりと)という感じに変わっていました。
マクロファージさん、途中までは赤芽細胞の育成役や各細胞の説明役に回っていて、戦闘シーンはないのかな〜と思っていたのですが、クライマックスで見せてくれました!
原作より勇ましい印象でしたが、それもいい感じで、めちゃめちゃかっこよかったです!
原作との改変点
原作では人間サイドの話は全く出てこなかったが、映画版では親子と娘と先輩の三人(遺影と回想で母親も出てくる)で話が進んでいく。
二コちゃんと先輩の恋模様があり、そこでアドレナリンとか出てきてはたらく細胞には確か存在しなかったカーニバルが出てくる。
人間ドラマもかなりよく作られていて、一つの作品で2つの作品見たような満足感があります。
細菌やウイルスは序盤のみ登場。
はたらく細胞ではがん細胞のポジションに白血病細胞がついている。(白血球との因縁も出るし、こっちの方が話の進行上良かったのかもしれないが、ここまで概ね原作に沿って展開されていたと思っていたので、読めていたはずの展開がここから読めなくなった。)
治療が抗がん剤や放射線など、免疫細胞に頼った治療ではないため、キャラクター愛に満ちた原作ファンからすると酷な展開になっている。(酷いという意味ではなく、細胞本来の現実を見せられるという意味)
その後の話で、白血球がBLACKの武装をしている。(理由は映画見て確かめてください。)
はたらく細胞とはたらく細胞BLACKとの組み合わせ方
この2作品は、途中までは二コちゃんと父親双方の体内で繰り広げられますが、途中から父親の体内にいた赤血球が二コちゃんの体内で活動することになるため、そこから完全に二コちゃんの体内での細胞の活動状況を見ることになります。(その為、はたらく細胞BLACKの内容はかなり少なくなっています。)
二コちゃんの体内に入ってからの新人赤血球は、はたらく細胞の後輩赤血球のポジションで、白血病細胞や抗がん剤、放射線療法により体の細胞がどんどん減っていく状態の中、必死で酸素を運ぶようになります。
新人赤血球的には、どちらも地獄のような環境だったかもしれませんが、細胞たちのために働いている実感がある分、二コちゃんの体内での活動のほうがやりがいを感じていたかもしれません。(お父さん本気でこれから健康面ちゃんとしなさいよって思いました。)
感想
感想をいいますと、この作品をここまでよく実写で再現したな〜という感じでした。
しかし、ちょっと体内が壮大すぎるなとも思いました(^_^;)
基本体内は閉鎖空間なので、原作では建物の中のような感じなのですが、実写はUSJとRPGをあわせたような、オープンワールド的な世界になっているんですよね。
まあ映画だからスケールデカくてもいいんじゃない?ってなったのかもしれませんが、体内なのに開放感半端ないなって思いました。
しかしそれは、父親の体の中との対比を表すためなのかもしれないとも思いました。
私はBLACKはアニメで一話しか見ていなかったのですが、父親サイドの体内は赤血球以外の細胞(やさぐれた血小板や女性体白血球など)は出てこず、主に赤血球と内部の体の構造、そして不摂生によってブラック企業と化し、色々世紀末みたいになっている状態を全面に出していた感じがしました。
あと、二コちゃんの体内と違って、すごく閉塞感のある作りなんですよね。
路地裏の居酒屋的な…。
健康な体と不健康な体、開放感の違いでも健康というものがいかに大事なのかということを伝えようとしていたのかもしれません。
あと、後半でお父さんが献血した血液が二コちゃんに輸血され(献血からどうしてそこに行きつけたのか、奇跡としか思えませんが)、赤血球がニコちゃんの体内の細胞たちと合流するシーンがあるんですけど、BLACK側の細胞はこっちに来ても激務で大変だなって思ってしまいました(^_^;)
そしてね、ラストが多分誰も見たことのない展開になっていて、でもそれが細胞のあるべき姿なんだよなとも思い、私の中の細胞たち、いつもありがとう…と思える作品になっていました。
原作を見たことがある人もない人も、十分楽しめる内容になっていると思えますので、皆さんぜひ見に行ってみてください!🔚
アイキャッチ画像:いらすとや様
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